仏像の大きさは?

low angle photo of 30 St. Mary Axe

日本では仏像といえば、大仏を思い出す人が多いです。

仏像は小さなサイズから大きなサイズの大仏まであります。

大仏の中でもより大きい仏像を巨大物といいます。

大仏のサイズ

日本で有名な大仏のサイズは、

奈良県の東大寺(とうだいじ)にある奈良大仏は、像高が14.7メートル(座像)で、

神奈川県の高徳院(こうとくいん)にある鎌倉大仏は、像高約11.39メートルです。注1)

日本の巨大物で有名な仏像は、

茨城県の牛久大仏(うしくだいぶつ)で、像高は100メートル(立像)で、台座20メートルはあり、全高は120メートルに及びます。注1)

全高120メートルとなると、およそ30建てのビルに匹敵します。

日本の大仏や巨大仏はビルのような高さがありますが、毎年きちんと掃除作業がされています。

これより高い巨大物には、インドの統一の像があります。

インドの統一の像は、像高が182メートルあり、台座は58メートルで、全高は240メートルです。注2)

240メートルとなると、超高層ビルに近い高さです。

初期の仏像は人と同じ大きさ

初期の仏像は、人間と同じサイズでした。
(等身仏といいます。)

釈迦が生存していた時期も、その後の初期仏教の時期も、仏像は作られていませんでした。

その後、インドのクシャーナ王朝の時期に仏像が盛んに作られるようになります。

クシャーナ王朝は西北インドを征服したイラン系の王朝で、クシャーナ族は偶像崇拝者でした。

また、クシャーナ族はローマとの貿易で多くの富を築いていました。

その豊かなクシャーナ族を仏教に改心させるために、仏像が多く作られました。

また戒律の厳しい宗教と比べて、仏教を信仰すれば極楽浄土に行けるという大乗仏教の教えは、クシャーナ族にとっても受け入れやすいものでした。

クシャーナ王朝のカニシカ王の時代に、仏教は保護され、仏像芸術も普及しました。注3)

この頃の仏像はギリシャ文化の影響を受けた風貌になっています。

また仏像のサイズは、人間と同じサイズだったと言われています。

仏像のサイズの測り方

やがて仏像が超人化され、仏像のサイズが大きくなります。

人間に比べて、仏像のサイズは2~3倍の大きさになりました。

日本では、仏像の寸法のことを、法量(ほうりょう)といいます。

仏を超人化していったため、釈迦像のサイズは「1丈6尺(約4.8メートル)」(いちじょうろくしゃく)とされました。

これを「丈六」(じょうろく)と呼びます。注4)

座像の場合は、「1丈6尺(約4.8メートル)」(いちじょうろくしゃく)の半分の8尺(約2.4メートル)とされました。
(1尺は約30.3センチなので、8尺は約2.4メートルです。)

背が高いと言われるオランダの人でも平均身長は約180センチで、

世界一高かった人の身長でも2メートル台です。

4.8メートルの釈迦の高さは、やはり超人的な身長です。

参考文献

注1)『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』, 大仏, URL https://ja.wikipedia.org/wiki/大仏, 2023/05/04
注2)『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』, 巨大仏, URL https://ja.wikipedia.org/wiki/巨大仏, 2023/05/04
注3)
『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』, クシャーナ朝, URL https://ja.wikipedia.org/wiki/クシャーナ朝, 2023/05/04
注4)『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』, 法量, URL https://ja.wikipedia.org/wiki/法量, 2023/05/04

架空の仏像自体に仏がいるわけではなく、仏像を拝む人の心の中に仏がいるのではないでしょうか。

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