日本では仏像といえば、大仏を思い出す人が多いです。
仏像は小さなサイズから大きなサイズの大仏まであります。
大仏の中でもより大きい仏像を巨大物といいます。
大仏のサイズ
日本で有名な大仏のサイズは、
奈良県の東大寺(とうだいじ)にある奈良大仏は、像高が14.7メートル(座像)で、
神奈川県の高徳院(こうとくいん)にある鎌倉大仏は、像高約11.39メートルです。注1)
日本の巨大物で有名な仏像は、
茨城県の牛久大仏(うしくだいぶつ)で、像高は100メートル(立像)で、台座20メートルはあり、全高は120メートルに及びます。注1)
全高120メートルとなると、およそ30建てのビルに匹敵します。
日本の大仏や巨大仏はビルのような高さがありますが、毎年きちんと掃除作業がされています。
これより高い巨大物には、インドの統一の像があります。
インドの統一の像は、像高が182メートルあり、台座は58メートルで、全高は240メートルです。注2)
240メートルとなると、超高層ビルに近い高さです。
初期の仏像は人と同じ大きさ
初期の仏像は、人間と同じサイズでした。
(等身仏といいます。)
釈迦が生存していた時期も、その後の初期仏教の時期も、仏像は作られていませんでした。
その後、インドのクシャーナ王朝の時期に仏像が盛んに作られるようになります。
クシャーナ王朝は西北インドを征服したイラン系の王朝で、クシャーナ族は偶像崇拝者でした。
また、クシャーナ族はローマとの貿易で多くの富を築いていました。
その豊かなクシャーナ族を仏教に改心させるために、仏像が多く作られました。
また戒律の厳しい宗教と比べて、仏教を信仰すれば極楽浄土に行けるという大乗仏教の教えは、クシャーナ族にとっても受け入れやすいものでした。
クシャーナ王朝のカニシカ王の時代に、仏教は保護され、仏像芸術も普及しました。注3)
この頃の仏像はギリシャ文化の影響を受けた風貌になっています。
また仏像のサイズは、人間と同じサイズだったと言われています。
仏像のサイズの測り方
やがて仏像が超人化され、仏像のサイズが大きくなります。
人間に比べて、仏像のサイズは2~3倍の大きさになりました。
日本では、仏像の寸法のことを、法量(ほうりょう)といいます。
仏を超人化していったため、釈迦像のサイズは「1丈6尺(約4.8メートル)」(いちじょうろくしゃく)とされました。
これを「丈六」(じょうろく)と呼びます。注4)
座像の場合は、「1丈6尺(約4.8メートル)」(いちじょうろくしゃく)の半分の8尺(約2.4メートル)とされました。
(1尺は約30.3センチなので、8尺は約2.4メートルです。)
背が高いと言われるオランダの人でも平均身長は約180センチで、
世界一高かった人の身長でも2メートル台です。
4.8メートルの釈迦の高さは、やはり超人的な身長です。
架空の仏像自体に仏がいるわけではなく、仏像を拝む人の心の中に仏がいるのではないでしょうか。