仏像にはランクがある

仏像には種類があることを知っていますか。

様々な仏像がありますが、仏像は種類によって役割が異なってきます。

仏像の種類分けには、まず「位」（rank）で区分されます。

仏像は、悟りの境地にいるかどうかで、おおまかには4つの位に分けられています。

仏像の位

仏像の位は順序でいうと、

の4つに分かれています。

その他には、

という位の高い高層がいます。

羅漢（らかん）は正規には阿羅漢（あらかん）といいます。
釈迦（しゃか）の弟子の中で最も位の高い弟子達に、羅漢の称号が与えられました。

それぞれの仏像の違い

仏像のランクによる見分け方は、

如来（にょらい）

如来（にょらい）は悟りを開いた者なので、釈迦（しゃか）がモデルになっています。

衣一枚の姿で、装飾が少ない質素な身なりが特徴です。

菩薩（ぼさつ）

菩薩（ぼさつ）は悟りを求める修行者なので、出家する前の釈迦（しゃか）がモデルになっています。

釈迦は出家をする前は王族（貴族）だったので、たくさんの装飾品を身に付けた貴族のような姿をしています。

明王（みょうおう）

明王（みょうおう）は仏の教えに従わない者を導く役目を持っており、
明王は如来の教えに従わない人々を厳しく取り締まり正しい道へと導くため、怒りの表情が特徴です

特徴として挙げられるのは、怒りの表情・逆立つ髪・武器の所持が挙げられます。

また背に炎をまとっていたり、動物の台座に座っていたりします。
人々を見逃さないように、顔や手の数が多い像が多くなっています。

天部（てんぶ）

天部（てんぶ）は天界に住む者で、仏教を守護する役目を持っています。

仏に帰依（きえ）した古代インドの神々がモデルです。

もともとは古代インドの神々なので、多様な姿をしています。

なぜ仏像には位があるのか

仏像にもランクがあると聞くと、仏教も階級社会なのかと誤解しそうですが、

仏教の教えは、

と説いています。

万人平等の教えが基本です。

仏教の目的は、「悟り」を開いて真理に触れることです。

その悟りを一つ一つ開いていく段階のことを、ランクで表しています。

その悟りを開いた最高位の姿が「如来」なのです。

貧富の差や権力の差のある階級社会や、
生まれや家柄によって固定化された封建社会とは異なり、
万人の平等を、仏教は教えています。

つまり仏教は、

という教えです。

仏像の位（rank）は、お釈迦様の弟子としてのランク（degree of enlightenment）で、仏像それぞれは役割を担っています。