
如来像の姿には、32の顔や手・足などの身体的特徴があります。
仏教の教えを広めるために超人的な仏像が作られました。
足や脚も特徴的な形をしていて、人とは異なっています。
仏像の足には土踏まずがありません。
釈迦如来はなんと偏平足だった
釈迦の姿の32の特徴(三十二相)によると、
釈迦如来像は、土踏まずがなく、つまり偏平足なのです。
土踏まずとは足の裏にあるアーチのことで、
歩いたり走ったりしたときに、足裏から伝わる衝撃を和らげる役割をしています。
土踏まずのない足を偏平足と言います。
偏平足の人は、歩くと疲れやすく腰痛の原因になると言われています。
生まれたての赤ちゃんの時は、土踏まずがはっきりした形になっておらず、
歩き始めるにしたがって、土踏まずのアーチもはっきり形成されていきます。
仏像の足の形は、足の裏が平らで足裏と地と隙間なく密着しています。
地面を平等に扱うため(踏まれない土の部分がないように)という由来もあるようですが、釈迦如来はつまり偏平足なのです。
釈迦如来の足の裏には模様がある
仏像の三十二相では、他にも足の特徴が書かれています。
まず、
①足の裏が平らである
②手の指も足の指も長い
③足裏に法輪が描かれている
④足のかかとが広い
⑤足の甲が亀の背のように厚く盛り上っている
⑥足のふくらはぎが鹿王のように円く、繊かである。

足の裏に描かれた法輪は千輻輪(せんぷくりん)と言い、車輪の形の文様をしています。
釈迦(本名ゴータマ・シッダールタ)が説法をしながら各地を巡ったこと(法の輪)に由来します。
釈迦の足も信仰の対象になりました。
釈迦の足跡、仏足石(ぶっそくせき)
初期仏教の時代は、仏像を直接拝む習慣がなく、まず足跡を石に刻み(釈迦がそこにいる)信仰の対象としました。
仏足石(ぶっそくせき)は、釈迦の足の裏の形を表面に刻んだ石のことです。
法輪も描いて刻まれました。
日本の仏教は大乗仏教の流れを汲んでいるので、仏像文化も盛んでした。
32相のもと作られた仏足石(ぶっそくせき)も、平らな偏平足で、文様には法輪が描かれています。

