
お金持ちになったら、お金持ちの家に生まれて贅沢をしたら、最高な人生が送れる。
誰もが一度はそう思うでしょう。
ところが、この上ないほどの金持ちに生まれ育ったのに、満足できず悩んで抜いて、その生活を捨ててしまった人がいます。
その人は、ゴータマ・シッダールタという王子です。
王族の長男でしたから、そのまま跡継ぎになり王になる予定でした。
ゴータマ・シッダールタ王子はどこで生まれたのでしょうか。
釈迦はいつ生まれたか
釈迦の本名は、ゴータマ・シッダールタです。
釈迦族の王子だったため、釈迦と呼ばれています。
釈迦(ゴータマ・シッダールタ)は、今から約2500年前(紀元前5〜6世紀)、ルンビニー(Lumbinii)という場所で生まれました。
ルンビニーは、現在の北インドとネパール南部西寄りの国境地帯にありました。注1)
父シュッドーダナは釈迦族の国王でした。
生母マーヤー王妃は、同じ釈迦一族の隣国コーリヤの姫で、シュッドーダナ王に嫁ぎました。
生母マーヤーが出産のために生家へ里帰りする途中、花が咲き誇るルンビニー園で産気づき出産したと言われています。注2)
豪華なくらし
跡取りの王子として生まれたゴータマ・シッダールタは、この上ない高い身分と豊かな資産の中で生まれ、豪華な宮殿で何不自由ない暮らしで育ちます。
贅沢な服や豪華な宝石、十分な教育。
羨ましい生活です。
花まつり
釈迦の誕生を祝う仏教の行事として、毎年4月8日に「花まつり」が行われます。
灌仏会(かんぶつえ)と言いますが、
釈迦がルンビニーの花園で生まれたため、一般的には花まつりと呼ばれています。
花まつりでは、花を飾り、釈迦の仏像に甘茶(あまちゃ)をかけ、甘茶を飲みます。
なぜ甘茶を使うのかというと、
釈迦が生まれたとき九頭の龍が天から現れ、甘い雨を注いで祝福し、釈迦の産湯として使ったという言い伝えがあるからです。注3)
花まつりでは、健康を願い、甘茶で赤ちゃんの頭をなで、参加した人たちは甘茶を飲みます。
ルンビニーは聖地
釈迦の生まれたルンビニーは、仏教における四大聖地の一つになっています。
仏教における四大聖地とは、
「著作物」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』,四大聖地,URL https://ja.wikipedia.org/wiki/四大聖地, 2023/04/18
- ルンビニー – 生誕所。
- ブッダガヤ – 成道(悟り)所。
- サールナート – 初転法輪(初説法)所。
- クシーナガラ – 涅槃(入滅)所。
つまり、
誕生の地であるルンビニー(現ネパール)
悟りを開いた成道の地であるブッダガヤ(インド)
初説法の地であるサールナート(インド)
亡くなった涅槃の地であるクシーナガラ(インド)
です。
釈迦の伝説
釈迦は生母マーヤー王妃の右脇から生まれた、という伝説があります。
なぜ伝説で右脇から生まれた、と言われるのか。
実際は普通に出産したと思うのですが。
それだけではなく、仏像の姿も右巻きなど、やたら右にこだわっています。
インドなどの国々では右手は聖浄なる手とされる一方で、左手は不浄の手とされています。
右が清らか、という考えが影響しているのでしょうか。
また他の伝説として、釈迦は生まれてすぐに7歩歩いて、右手で天を指し左手で地をさして言葉を唱えたと言われています。
唱えた言葉は、
天上天下唯我独尊(てんじょうてんがゆいがどくそん)
と説きました。
天上天下唯我独尊(てんじょうてんがゆいがどくそん)の意味は、
直訳では、「天の上、天の下、唯、我、独り尊い」ですが、
天上天下唯我独尊(てんじょうてんがゆいがどくそん)とは
「この世にいるすべては誰にも代わることのできない唯一の存在であり、それぞれが尊い」
という意味です。
仏教の基本は平等主義なので、こういう伝説が生まれたのかもしれません。
釈迦(ゴータマ・シッダールタ)は、このような伝説を持つほどの優雅な身分で生まれました。
注1)『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』, 釈迦, URL https://ja.wikipedia.org/wiki/釈迦, 2023/04/18
注2) 同上
注3) 同上
注4) 同上
それでは、釈迦(ゴータマ・シッダールタ)はどうしてこの優雅な生活を捨てようと考えたのでしょうか。


